2020.10.30
サロン業界はAIに取って変わられる?
このコロナ禍において思い出したことがあります。
それは、私がネイリストであった頃のお話です。
私がネイルを仕事にしたいと思い始め、スクールに通いたいと思っていろんなことを調べ始めた頃、(今から20年位前のことなので)サロンもスクールも今よりずっと少なく、
一部の人のための特殊な産業でした。
ハワイとかに行ってきた芸能人が爪を長くキラキラさせているような時代で、ネイリストの外見も今でいうキャバ嬢みたいな感じのイメージ。
普通のOLがネイルサロンに毎月通う時代なんて想像できず、
「ネイルなんて一時期の流行でしかないよ」
そんな意見を多くの人に言われました。
私がネイリストになってからも、この産業はいずれ衰退するという話は多かったですし、AIに取って変わられ消滅する職業第一位に輝いたこともありました。
決まって出てくる意見は、「ネイルサロンは行かなくても死なないから」というものです。
エステも似ていますね、極限までお金が無かったら、時間が無かったら、何かを削るとしたら…といったときに一番最初に切り捨てられる分野と思われています。。
たしかに、このコロナ禍で多くの消費者から「削られた」ことにより 美容産業は大きなダメージを受けました。
でも、
「ネイルがなくても死なない」
「エステがなくても死なない」
というのは、行かなくてもいい人たちの意見です。
私は、ネイルが無いと人は死ぬという持論を持っていました。
女性にとって美容は命です。
ネイルをする人たちにとっては爪は命です。
爪がボロボロになることで心が荒み、ネガティブな状態に陥ります。
その人のメンタルが弱いということではありません。
そもそも手というものは、人間が自分の体の中で最も多く目にするパーツです。
髪型や顔、全体的な体型やファッションは鏡に映らなければ目に入ることはありません。
だけど手は違います。
私たちが毎日朝起きてスマホをチェックして仕事に行き、PCで仕事をして、家事をし電気を消して眠るときまで、1日中視界に入ってくるパーツです。
そのパーツがボロボロで汚いのと、美しく心癒される状態なのと、
どちらが人生に潤いを感じるでしょうか。
これは壮大なことでもなんでもなく、いつも目に触れるものを美しく手入れすることは気持ちに潤いと余裕をもたらし、そのことによって例えば人にやさしくなれたり、毎日が前向きなものになるとしたら、
恋愛や仕事でうまくいくことも増えるかもしれません。
サロンの施術は、こんなにもお客様の心、人生と繋がっている仕事です。これが完全機械化されてAIに変わるなんてあり得ないと思います。
事実、コロナ禍においてステイホーム期間にセルフ美容機器は飛ぶように売れましたが、美容が完全にセルフ化することなんて無く、緊急事態宣言が明けてサロンが予約を受け始めてからは、待っていたお客様が殺到しました。
動画サイトには家で出来る美容法、セルフ美容機器の情報が山のように溢れていましたが、それでもお客様は一斉にサロンに足を運びました。
ネイルだけではなく美容の分野というものは人生そのものがうまくいくためのきっかけであり、それを必要とするお客様の心には、施術者の手が必要なのだと思っています。
サロンのサービスをオンライン化しよう!というような動きをするコンサルさんも増えましたが、それはコロナがあってもなくても元々あったニーズで、必然的なことです。
多くの美容家様と接していて感じるのは、施術者としての価値とは「心のあるサービスかどうか」ということに尽きます。
お金の話をすると「心」と離れていく気がしますが、結局は単価が取れている施術者様のサービスには心があり、それがしっかりお客様に伝わっているのです。
サロン業界がAIに変わり得ない理由は、この「心」の存在です。
コロナ時代を通じて私の中では、ネイルはもちろん美容のお仕事は絶対に無くならないという確信がまたひとつ、持てました。
オアスパの説明会はこちら
美容業界のコミュニティイベントに参加するなら、まずは会員登録から。
この記事をシェアする!