2021.01.08

佐伯チズ先生から学んだことは「本質を見極める力」。直営サロンを引き継いだ直弟子・ビューティシャン平山泰代さん

インタビュー

佐伯チズ氏の顧客が今も通う直営サロン「サロン ドール マ・ボーテ」

2020年6月に亡くなられた佐伯チズ氏が「ひとりでも多くの方をキレイにしてさしあげたい」という想いから開業したエステティックサロン「サロン ドール マ・ボーテ」。
同氏の想いが詰まったサロンが、長年営業していた場所から麻布十番の地に移転オープンしたのは今年7月のことで、顧客にとっては待望のリニューアルという形となりました。

このサロン ドール マ・ボーテを引き継ぐこととなったのが、生前の佐伯チズ氏の秘書兼サロンマネージャーを務め、直弟子としてサロンでの施術も行ってきたビューティシャン・平山泰代さん。現在は麻布十番のサロンで1日1客限りの直接施術を行っています。

誰よりも近くで佐伯チズ氏の施術を見つめてきた平山さんが振り返る、「先生から教わった、エステティシャンに大切な力」とは何か、お話を伺ってきました。

この場所はサロンというより先生そのもの。先生の想いそのままに、サロンは生きている

波音のBGMが流れ、淡いピンク基調の心地よい空間。店内は、佐伯式に欠かせないこだわりのエステベッドから小物にいたるまで、佐伯チズ氏生前のサロンそのままに移動してきたといいます。
平山さんにお聞きした最初の質問は「サロン ドール マ・ボーテはどんなサロンですか?」というものでした。
「このサロンは、サロンというよりも先生そのものなんです。私にとっては常に『先生であれば、お客様をこうもてなすだろう』ということを自然に行う場所。先生は『見て、聞いて、感じて覚えなさい』というスタンスでしたから、最初は先生のしていることをとにかくマネすることからスタートしました。今は、恐縮ですが先生の考えること・やることがそのままに引き継がれ、生き続けているサロンになっていると思っています」

「お客様の立場でものを見る」ことの意味とは?

佐伯チズ先生がいつも仰っていたのは【意識することで覚える】ということなのだそう。平山さんは、とにかく佐伯チズ先生の行動を意識してマネする、自分以外の人の判断で動く、ということを経験し続けたこの期間を経たことによって、『人の目線に立つ』ということの意味がわかるようになったといいます。

「お客様の立場になって、お客様目線で、とよく言葉では言われますが、本当の意味で『人の目線に立つ』というのは『自分の目以外でものを見る力』のこと。私の場合は徹底的にチズ先生の行動を見つめ意識することによって、いつの間にか自分が見えている範囲のものの外からお客様が見える力を得たと思います。そうすると、見えないものが見え、聞こえないものが聞こえるようになる。これは本当に仕事というよりは修行の期間。その間いつも私が先生に言われていたのは『仕事と割り切らず、常に学び続けなければいけない』という言葉。教わったからもういいです、という態度では越えられない壁が、エステティシャンというお仕事にはあると思います」

佐伯式美容法の基本は、マイナスのお手入れ。シンプルな美容法と、その方自身の「キレイになりたい」気持ちに働きかけることが大切

「頼るな化粧品!」(佐伯チズ著、2003年初版)以降、佐伯氏の多くの著書からも学べる通り佐伯式美容法の基本はとにかく化粧品に頼りすぎないで、ごくシンプルなお手入れに戻すこと。マイナス美容は、ナチュラル志向が定番化してきている今でこそ浸透している考え方ですが、当初は画期的なものでした。佐伯式では当初からその考えを貫いているそう。
平山さんは、お客様のお肌のお悩みをカウンセリングする際は出来るだけ細かく、普段どのようなお手入れを行っているかヒアリングし原因を突き止めることを目指しているといいます。
また、美容法の実践と合わせて、お客様自身が「キレイになりたい」という気持ちに働きかけるために、まず自己解放していただくという心へのアプローチも大切にしているそう。その意味でも、見えないものを見る、聞こえないものを聞くという力が必要だといいます。
「チズ先生によく言われていた言葉で思い出すのは、『五感を意識すること』。触覚、味覚、嗅覚、聴覚、視覚を研ぎ澄ますことで、本質が見えるようになってくるということです。そうすることで、お客様と表面的ではないコミュニケーションが出来るようになってきます。このお仕事は、他人に興味を持つということもとても大切で、お客様の考えの本質を見極める力を備えることで、美容健康のお悩みも解決して差し上げやすくなる。チズ先生とお客様とのカウンセリングをいつも横で聞いていましたが、先生はお客様に多くを語らせなくても第六感のような部分で本質を見抜くことが出来る方でしたから…初めてのカウンセリングで泣いてしまうお客様も数多くいました」
お客様の心の本質と向き合い、「キレイになりたい」という気持ちを引き出すことこそ、佐伯式美容法の第一歩ということなのですね。多くの美容人にとって、お客様とのコミュニケーションは永遠の課題。表面的ではないお客様の心を見抜く力が、この仕事のベースなのだと改めて思わされるエピソードですね。

そんな平山さんがエステティシャンとして大切にしていることは「なんでもやりすぎない、無理しない」ことなのだそう。

お客様に入る時は100%の自分で。少しでも欠けていてはいけないからこそ、自分を大切にすることが何より大事。

平山さんは、お客様に対して全身全霊で向き合うために必ず自分が100%の状態を保てるよう、「やりすぎない」ことを大切にしているそう。
「頑張りすぎないことによって、お客様に入る時は100%の自分でいられる。少しでも欠けているなと感じたら、好きなもので補う。そうできるように、良く眠るとか、好きなものを食べるとか、当たり前のことが出来る自分でいたいと思っています。常に好きなもので周りを固めておきたいから…今集めているのはこれ、かわいいでしょ」と見せてくれたのは「穀雨」(https://kokuutokyo.com/)というジュエリーブランドの真鍮のオブジェの写真。
「どこか遠くにある街」をテーマとしたミニチュアの建物や木々、船などのオブジェで、想像力の膨らむとても素敵な作品でした。
簡単に旅行が出来ないこの時期ということもあり、思わずほっこり。
こんな夢のある世界を大切にされている平山さんだからこそ、お客様に向き合う心の器を持ち続けることが出来るんですね。
お客様のために100%の自分を保ちたいからこそ、自分を大切にする。エステティシャンの心の在り方について気付かされた瞬間でした。

シェアサロンに移転した後、変わったことはありますか?

長年通っている顧客様ばかりの店舗で、移転することに不安もあったかと思いますが、2020年7月のコロナ禍という時期もあり、アクセス抜群のシェアサロンにそのまま移れたことはむしろ利点のほうが大きかったと言います。
「サロン移転となると当然、長く通っていただいているお客様にまた来ていただけるかどうかが重要です。移転前までのサロンはアクセスが良かったわけではないので、ここに移ってお客様からは通いやすくなったと好評なんですよ。それに何より良かった点は、短時間で準備が出来たのでお客様を待たせなくて済んだことです。先生がお亡くなりになった後たくさんの方がご自宅サロンにお線香をあげに来て下さって、ちょうどコロナ禍の大変な時期でしたから…エステの再開を信じ待ってくれているお客様のためにもなんとか準備をしなければという状況でした。港区のど真ん中となると、普通はいろんな意味で準備に時間もかかってしまうでしょうから。安心してお客様をお招きできる環境をすぐ作れたのは、シェアサロンだったからです。こんな方法を多くのエステ業界の方に知っていただけたら、と思います」

美容法という枠を超え、世に社会的影響を与えた美容家・佐伯チズ先生。実は平山さん自身がエステティシャンの仕事を始めたのも、育児が落ち着いた頃に何か女性がやりがいをもって一生続けられる仕事はないか?と思っていた時にたまたま出会った雑誌に掲載されていた佐伯先生の姿がきっかけだったといいます。

多くの著書やメディアを通じてたくさんの女性たちに影響を与えてきた佐伯チズ先生ですが、残したこのサロンがシェアサロンに移転したことが、またさらに多くの美容家様たちへの励みとなることを、私たちも願っています。

佐伯チズオフィシャルサイト

サロンドール マ・ボーテが入居中の麻布十番通り店の情報はこちら

この記事をシェアする!

RELATE TOPICS関連記事

  • 2020.12.04

    美容サービス業専門コンサルティング【Bacchus Japan】橘えりこ代表が語る、プロ意識の原点

    インタビュー

  • 2021.01.04

    「コロナのことがあって逆に開業への意欲は増しました!」人生は一度きり、限界を作らずにチャレンジしたい。…

    インタビュー

RECOMMENDおすすめ記事

  • 2021.09.20

    売れるメニュー作りがしたいあなたへ。コンサルタントが教える『魔法のブラッシュアップ術』

    イベント・セミナーサロン運営ノウハウ

  • 2021.09.14

    10月のオンライン説明会情報

    イベント・セミナー

  • 2021.08.12

    9月のオンライン説明会情報

    イベント・セミナー

WHAT'S NEW新着記事

  • 2021.09.20

    売れるメニュー作りがしたいあなたへ。コンサルタントが教える『魔法のブラッシュアップ術』

    イベント・セミナーサロン運営ノウハウ

  • 2021.09.14

    10月のオンライン説明会情報

    イベント・セミナー

  • 2021.08.12

    9月のオンライン説明会情報

    イベント・セミナー