2022.08.01
美容業界の働き方は多様性に満ちている。結婚や出産後も活躍したい女性の幅広いキャリアを支援する|久保慶太さん(キャリアアドバイザー)
美容業界でご活躍する方にインタビューする「オアスパ・美容業界プロフェッショナルインタビュー」今回は美容家様の転職活動をご支援されている株式会社エール・ヴァンクールの久保慶太さんにお話を伺いました。
久保さんのご経歴、そして現在の仕事内容を教えていただけますでしょうか
エール・ヴァンクールの久保慶太です。当社は「学校業界・美容業界中心の業界特化型人材紹介」や「企業の健康経営支援研修」等、複数の事業を展開しています。私は主に美容業界のキャリアアドバイザー兼リクルーティングアドバイザーとして、求職者 及び 採用企業双方に向き合って転職のご支援をさせていただいています。
これまでの職歴を簡単にお話しますと、もともとは芸能活動を長らく行っていました。歌やダンス、ラジオMCなど、人前に立つ仕事が出発点となっています。その後、大手アパレルブランドの販売・マネジメント職を経て、美容・アパレル系の専門学校の職員へ転身。進路相談を担当する職務を担っていました。ある時、若い人達の進路相談に乗りながら、気づいたんです「学校はあくまで目標の通過点であって、本当はその先の将来について真剣に考えなければならない」と。その支援がしたいと思い、教育・美容業界に特化した転職支援サービスを展開するエール・ヴァンクールに入社しました。
現在は、転職支援の傍ら、部下の育成マネジメント、自社セミナーやコンテンツの企画運営・進行管理を行っています。また、業界内でも知名度と集客力がある他社運営のセミナーコンサルティングを一部請け負っています。講師アサインから講師サポート・・・具体的には、講座の企画設計や運営まで携わっています。
美容業界で知らない人はいない有名セミナーのコンサルティングを手掛けられているのですね!具体的にはどのような業務を担っているのでしょうか?
少し踏み込んだ話になりますが、業界のキャリアが長い方でも、セミナー講師は初めてで、テーマや内容を考えたりするのが苦手なケースがあるんですね。そういった時に、一緒にアイデアを練り、その時代やタイミング、受講者のニーズを見極めながら企画づくりを行っています。
過去に実施したものでは、エステティシャン向けに「解剖学の知識理論を習得する講座」を企画しました。これは、手技等のスキル以外にも、お客様の体と向き合うエステティシャンだからこそ身につけておきたい知識として、身体の構造を理解して、より良いサービス提供につなげてほしいという願いから生み出された講座です。
久保さんは、キャリアアドバイザー兼リクルーティングアドバイザーでありながら、企画やコンサル業務もこなされていて、マルチな才能を発揮していらっしゃいますね
おかげさまで忙しく働かせてもらっています!実は当社では「全員が社長になる」というビジョンを掲げていまして、「人材事業にプラス1の強みになる仕事を作り出そう」と当社代表が常々発信をしているんです。そのため、ほかの社員もメイン事業にプラスアルファの仕事を推進したり、チャレンジする社風というか・・・そういう才能を持った人が自然と多く集まっている気がします。
美容業界で働く人を多方面でサポートされていますが、いまの美容業界において課題と感じることはありますでしょうか?
キャリアを積んで高い能力を持っている方々が沢山いらっしゃるのに、結婚や出産を機にそのキャリアが断絶してしまうのが非常に残念です。「美容業界は、若いうち、独身の時しか働けない・・・」そんな思い込みが蔓延して、固定概念になってしまっているのも問題視しています。
美容業界は現場で施術する仕事だけではなく、現場を統括する本部の仕事、営業や経理、総務など、実際は多種多様な職種があるんです。若いうちに現場で活躍した方が、オフィスワークにジョブチェンジするようなキャリア形成が出来てもいいはずだと思います。そういった柔軟性のある働き方が許容されていない点は大きな課題ではないでしょうか。
このままでは、美容業界を志す若者自体が減りかねないと危惧しています。実際に、若い子たちと話をすると、将来を見据えた働き方がイメージ出来ていない人がほとんどです。お手本となるロールモデルが少ないのだから当然ですよね。そこを変えていかなければならないと思っています。
コロナ禍で美容業界も苦しい状況に見舞われたと思いますが、現在転職市場はどうなっていますか?
コロナが流行りだした2019年は、サロンの休業・閉業が相次ぎ、求人数も大きく減りました。ですが、2022年に入って、ようやく回復基調になってきています。コロナ禍で新たな企業やポジションの需要が高まっていて、大きく2つの潮流が見えています。
一つ目は美容医療の存在です。報道でも取り上げられているのでご存じの方も多いかと思いますが、コロナ禍でリモートワークが推進され、人と対面することが出来ない状況を逆手にとって、美容医療の需要が高まりました。それと相まって、美容医療の受付カウンセラー(接客応対、プラン説明、精算業務等を担う)の求人が増え、人気ポジションとして応募も集まっています。
それから二つ目は、SNSを通して化粧品や美容器具などを販売するD2C企業の台頭です。そちらの求人も多く出ており、活躍の場が広がっています。
このように、美容業界と一口に言っても、いろいろな企業、職種、ポジションがあって、実は、生涯通して働ける業界である・・・ということを、もっと多くの方に知っていただきたいと常々思っています。
2022年3月にYouTubeチャンネル「美容業界働き方ナビ」をスタートさせました。チャンネル開設の目的・狙いがあれば教えてください。
「美容業界働き方ナビ」は、当社とオアシスリゾートスパさんが共同運営しているYouTubeチャンネルです。美容業界の転職のプロであるエール・ヴァンクールと、美容業界の独立開業のプロであるオアシスリゾートスパさん、この2者が組んで、業界の課題を解決したいという想いのもと、このチャンネルを開設しました。
業界の課題というのは、まさに先ほどお話したような、キャリアの断絶が起きているということです。そういう風潮を変えていきたいし、視聴者の方が動画を見て参考になる、行動に移せるコンテンツを配信していきたいと考えています。
現在は、チャンネルのナビゲーターである私と飯牟禮さんの自己紹介動画、Z世代を代表するインフルエンサーの方から見た美容業界のイメージ、オアスパで開業された美容家さんのインタビューなどが配信されています。
今後は、大手美容会社の本部で働く方のインタビューや、地方でサロン開業している方が東京で出張営業される方法を特集した動画など、これまで世の中になかった事例を取り上げて、美容業界での働き方について動画で発信していけたらいいなと思っています。
さいごに美容業界で頑張っている方々に向けて、メッセージをお願いします。
頑張ったら、頑張った分だけ身になるのが、この業界の良いところなんだと思います。技術を磨いて経験を積んで、人間関係を構築していけば、有名になって稼げるようになるし、サロン開業も夢じゃない。そのためには、相応の努力が必要ですが、学び続けることが出来る人であれば大丈夫だと思います。日々の積み重ねは無駄になることはありませんから。人気の先生や美容家さんほど自己研鑽を欠かしていませんよね。それから腰が低く、視野も広いし、周りをよく見ていらっしゃると思います。そういった先輩方をお手本にしながら、自己実現出来るといいですよね。我々も美容業界がさらに盛り上がり、発展成長するために出来ることを考え、行動していきたいと思っています。
・久保様やエール・ヴァンクール様へのご質問・お問い合わせは、
info@ailes-vainqueur.jp 宛てにお送りくださいますようお願いいたします。
・本記事内の役職や数値情報等は、取材当時(2022年7月)のものになります。
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